私 と 、NUMBERGIRL 。1
NUMBERGIRL、再結成。
Twitterやyahooのトレンドを一色に染めたその文字の羅列に、どうやって興奮せずに居られたというのだろうか。
私は職場でたまたまTwitterを開いて知った。
言葉が出ず意味がわからず何度も開き直した。
やはり事実だった。
理解した瞬間、動揺と高揚が止まらなかった。
NUMBERGIRLは17年前、ベースの脱退を機に、今のメンバー全員でNUMBERGIRLだという理由で解散した。
あまりに唐突で、改めて解散ライブを開催するという事もなく、その時行っていたツアーの最終日がラストライブとなった。
活動期間7年、メジャーデビューから3年。めちゃくちゃヒットした曲がある訳ではなかったが、その時代の邦楽ロックを担っていた。いわゆるオルタナティブロックの発信者、いや、創始者といっても過言ではないほど(いや、過言か..)、後の邦楽ロック界に多大なる影響を及ぼした伝説のバンドとして今なお語り継がれている。
NUMBERGIRLを知らない人からしたら、なぜヒット曲がある訳でもなければ活動期間も短く、解散から約20年も経つのに伝説扱いされ、復活に騒がれているのか?と疑問に感じるだろう。
そんな人に、この記事を通して、出来れば1人でも多くに、魅力が伝わることを願っている。
復活時のコメントでは、できれば何発かヤるとは言っているが、期限も設けられておらず、(たくさん記事を読んだ所)2度目の復活は100%ありえない。だからこそ今、知って、聴いて、後悔しないで欲しいと心から思う。
その昔、中学生までラジオ厨だった私は、ラジオから流れる音楽をかじりついて聴いていた。
高校生になってからは吹奏楽部に入部したため、世の音楽から一旦離れてクラシックばかり聞いていた。
そして高校を卒業、サカナクションが好きだという友達と話していると、やっぱりきっかけはバッハだよね!と言われて衝撃が走った。私的にはサカナクションと言えばセントレイだしシンシロ。かの有名なバッハを知らない、それくらい私は世の流行りの音楽からかけ離れた生活を数年送っていたのだという事実を突き付けられた気がして、ショックだった。
焦った私はYouTubeを開いて音楽を聴いていた。そこでたまたま流れてきたのがこの動画だった。
時が止まった。なんだこのギラついてるのにどうしようもないほどキラキラした音楽は。 狂ったように何度も聴いた。
当時は歌詞も全く聞き取れずMCも訳が分からなかった。
なのに、取り憑かれた。
私が初めて好きになったバンドは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONだった。彼らもN.G.S(Number Girl Syndrome の略)という曲を作るほどNUMBERGIRLに影響を受けている。 他にも椎名林檎(NUMBERGIRLの大ファンで追っかけ、後にVO.の向井秀徳と共演やコラボをしている)やBase Ball Bear(ラジオ等でNUMBERGIRLについて語ったりカバーをしている)、ねごと、きのこ帝国(前述の記事で少し触れている)などなど、影響を受けているミュージシャンはどれも私が好きな人達だった。
くるりもNUMBERGIRLと時代を共にしたバンドで、くるり主催のフェスにも呼ばれている。動画や著書などでもくるりの岸田繁とNUMBERGIRLの向井秀徳の繋がりを拝見できる。
これらの理由からしても、NUMBERGIRLはハマるべくして大好きになったバンドだったのだと思う。
まずはNUMBERGIRLのメンバーを紹介する。
〇 vo.向井秀徳
私の1番好きなミュージシャン、我が道を突きつめまくっている超良い意味での変態
特にNUMBERGIRLではMCが独特過ぎてファンを置いてけぼりにすることがある、しかしその独特さ故の名言も多数ある
酔ったらそこら辺の路上で弾き語りを始める、時に不審に思われて職質される
ラーメンと昆布とキンミヤ焼酎を愛する
何で弾いてるのか疑問な程ライブではすぐ弦を切らす
ライブ中でも酒飲むし煙草吸う
向井秀徳アコエレ(ソロ)もZAZEN BOYSもライブ観に行ったけどやはり最高、太い声とシンプルにかっこいいキメキメのプレイング、痺れる(興味ある方は是非)
〇gt.田渕ひさ子
女性のショートカットもギターもブームにしたのはこの人じゃないだろうか
お茶目で可愛いひちゃこに侮るなかれ
ギターを持った瞬間、真顔で軽々と鳥肌が立つほどかっこいいプレイを始める
ギターソロなんて女性と忘れるほど魅入ってしまう、ライブでは1番くらいに盛り上がる
弾き狂ってる彼女に感化されてギター女子が増えたと思う、気持ちは凄く分かる
ジャズマスターを流行らせた第一人者
(toddleもとても良きなのでオススメ)
〇dr.アヒト・イナザワ
なんと言ってもドラムカウントが、(ワンツースリーフォー!)以外に幾つも存在する
有名なのが(殺・伐!)...その他、(U・S・録・音!)(造・反・有・利!)等など...これでキマる謎
一定しないリズムなのに大きく崩さず、バンドのアクセントになっている
手数の多さも魅力、完璧にできればドラムで飯が食えるモーラー奏法を勝手に発展させたイザナワモーラー奏法を行う
それくらいの腕なのに解散後はギターボーカルをしていた
〇ba.中尾憲太郎(名前の後に年齢を入れる)
向井の無茶ぶりに答えてくれる優しい人
ここまできたら分かると思うが彼ももちろんヤバい
ダウンピッキングの速さで有名
低音パートと言えばどっしり支えてるイメージだが彼がどっしりしてるのは音だけでプレイはルーズで複雑なことはあまりせず至ってシンプル、なのに上記の遊びまくってるメンバーの音を支えられる
ピック弾き、ゴリゴリで男らしい無骨さ
...この4人でNUMBERGIRLなのだが、書いているととてつもないスター集団なのだと改めて実感。
1人1人がめちゃくちゃかっこいいです。
しかもこれだけ個性的な4人が全力でぶつかっても、潰れずに最高のバランスを作り出している、奇跡。
そんなNUMBERGIRLの演奏を、上記の紹介を照らし合わせながら聴いて欲しい。
◎ライブで演奏して欲しい曲ランキング第1位
これはNUMBERGIRLラストライブ時の映像。
(長いので演奏のみ聴きたい方は2:30〜!)
私は0:00から100回以上聴いてる、大好きな映像・演奏です。
かっこいいなんて言葉じゃ足りない物がここにある。
◎なんと言っても圧巻のギターソロ
「TATOOあり」
短めのギターソロですらかっこいいこの曲の中でも特にソロが長く覚醒している動画がこれ。
これも冗談抜きで主にソロ目当てで100回以上聴いてる、ここまできたら言葉失いかける、というか失う。
◎題名通りの、NUMBERGIRLだからこその演奏
「鉄風、鋭くなって」
この刺すような冷たく鋭い演奏、空間は、当時のNUMBERGIRLだからこそ表現できるものだと思う。
冒頭のナカケンのピッキングから全ての凍てつく瞬間が始まっています。MV版のアヒトの眼鏡、最高。
◎断トツ取っ付きやすくシンプルにかっこいい
「num-ami-dabutz」
音量調節してください、これは特に音デカいです。
再生数からしてもNUMBERGIRLをイマイチ理解出来てない人が聴きやすい曲。ノリがわかりやすいしMVも相まってポップさがある。アヒトのダサいジャンプと妙に丁寧な向井と少し照れてるひさ子と通常運転のナカケンが可愛く感じます。
さて、いくつか紹介したところでかなり長くなってしまったので今回はこの辺にします。
短い活動期間で7枚のシングル、4枚のアルバムを発表し、ライブを淡々とこなす...4人ともとてつもない熱量で目の前の道を貫き突っ走ってきた。だからこそ生まれた独特の音楽性は未だに褪せることなく、無数の音楽界のフォロワーさえ誰一人として真似できなかった。(ポップの神と呼ばれる星野源もまた、NUMBERGIRLが大好きで、ついぞ誰も真似できなかった唯一の存在だと語っている。私は別で取り上げたいほど星野源の音楽もとても好きだ。)
のちに向井秀徳本人が今見直してもキラキラしていたと言うほどギラギラとキラキラ、ネガとポジ、熱さと冷たさが入り乱れ、混じりまくったその音楽が、奇跡のバランスで保たれたバンドが、どの瞬間も飽きることなく語り継がれた。そうして伝説となったのではないか(という事にして〆にしたいと思う、こんな少しじゃ私ごときには語れないわ...)。
初回なので大雑把な紹介と、動画サイトでも特に人気の初級NUMBERGIRL楽曲を取り上げさせていただきました。
次回からはフェスなどで目撃するつもりの方〜NUMBERGIRL好きになりそうかもという方に向けて少し責めた中級辺りの記事や楽曲紹介にしていきたいと思います。(余力があれば...出来るかな...。)
初回から長々とお付き合いありがとうございました。