私 と 、NUMBERGIRL 。2

お待たせしました、お待たせしまくりました。

おおよそひと月が経ち、やっと記す気になったので、読んで、想像して、酩酊して、浸っていただけたらと思います。

ネタバレオンパレードです。何卒。

 

▷ ▷ ▷

 

7月27日

私は真昼間ガールを聴きつつ、太陽の指すあついあつい新宿に居た。

新宿に来るのも初めてだし、何なら1人で東京に来るのも初めてのくせに、耳にナンバーガールという味方をつけ、日常の風景に溶け込みながらタワーレコードへ向かった。

だが、ナンバーガール特集のフリーペーパーは既に無くなっていた。

せめてもと思い、展開されている所を拝見した。

NO MUSIC NO LIFE。

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おどけた向井、横で笑いを堪えるひさ子、笑顔のアヒト、真顔のナカケン(ナカケンは変わってないか...でも表情の柔らかさが増してる)。

以前のナンバーガールでは想像のつかないポスターが、長い時を経て復活したんだなと実感させてくれる。

実感した後は足早に宿へ戻り、向井秀徳作の安室奈美恵がプリントされた激ダサいMATSURISTUDIOのTシャツへ着替えて、チケット片手に会場へと急いだ。

その姿で歌舞伎町を歩くと、浮きすぎていて、耳についた味方の音も聞こえないくらい恥ずかしかった。

だがそんな恥ずかしさもすぐ吹っ飛んだ。

会場前にたむろする同志達を見たからだ。

何百人とが各々、空を眺めたり、じっと目を瞑ったり、ぼーっとしたり、壁にもたれたりしていた。

誰も騒いだりしていなかった。

同伴で来ている人達すら小声で話していた、あの歌舞伎町の雑踏の中で、だ。

一人一人が己のナンバーガールへの思いを馳せて準備運動している、異様な空気だけが漂っていた。

私もやっと我に返り、ただ会場を見つめていた。

 

順番に呼ばれて、会場へと入る。

さすがキャパが狭くプレミアライブというだけあって、かなり厳しく身分確認を行っていた。

厳密に言うと、ひとり残らず全員、身分証を手に持ち住所氏名、顔が一致しているかをチェックされた。

もちろん不正ルートで入手した人達は皆、落胆したり泣いたりして会場を去っていった。

ここまで徹底されているのは私も初めてで、自分が当てたチケットなのに少しドギマギした。

 

そんな空間を抜けてドリンクを交換したのち、次にいつライブに行けるかも分からず、これが最後になる可能性だってあるので...後悔のないよう、潰されてもいい覚悟で3列目で開演を待っていた。

会場前以上に静かな時間が流れており、音楽も一切流れず、誰一人として喋っていなかった。

私の横の人はずっとソワソワ風景を眺めていたし、前の向井風のハットにシャツにチノパンの客もイヤフォンをして精神統一していた。

 

開場時間ピッタリだったと思う。

お馴染みのMarqueemoonが流れ始めて、一気に会場のボルテージがあがる。

メンバーが出てきて、さっきまでの静寂は一瞬で消え去り、客全員が一斉に叫んだ。

 

私は、1曲目に何を演奏するかを、当日のひと月前から毎日欠かさず考えていた。

でも大きく外れた。予想の斜め上をついてきた。

ずっしりと重く太い、ベースが響く。

鉄風 鋭くなって」、だ。

これを予想できた人は会場内に居たのだろうか?

そこから一気に前に詰め寄りフロアが熱気に溢れた。リズムにのって拳を突き立てる。

向井が、発狂した飼い猫〜♪と歌い出す。

その歌詞通り、全員が発狂した。

ナンバーガールが確かに存在したのだ。

 

あっという間に終わり、すぐに2曲目。

裸足の季節

序盤後のキュイーンという音からの(語彙力がなくてすいません)アップテンポに合わせて、会場全体の雰囲気もさらに上昇する。

ひさ子の大サビ前のキメキメのギターに叫びまくる。

もう既に脳内からっぽ。

「考えるな、感じろ」状態。

 

確か(興奮しすぎて曖昧だが)ここで向井が第一声を放ったと思う。

第一声、「おひさーかたーの、ぶーりぶーり」(久方ぶりって事ですね、はい)。

もちろん会場は笑いに包まれた。

以前と違うのは、隣のひさ子が普通に笑っていたことだ(アヒトは角度的に見えなかったが多分笑顔だったのじゃないかな)。

今はメンバー間もとても和やかな関係性なんだなと感じた。

いや、もちろん前からそうだったとは思うが、ライブ中のMC含めた謎のキワキワの緊迫感というものは緩んでいた。

だからといって、曲の質や向井の鬼迫ある歌声は変わっていない。

 

向井が放ったのはその挨拶だけ、すぐにアヒトのカウントが入る。【殺・伐】!

3曲目、「タッチ」

メジャー移籍後初アルバム1曲目に関わらず攻めまくっているこの曲。

通じあわないで!触れあわないで!

この頃にはみな、思い思いの踊りをしていた。

 

曲が終わると、向井が「福岡市博多区から参りましたナンバーガールです」と発す。

もうこの時点でお察し。狂喜乱舞。

「ドラムス、アヒト・イナザワ」...

4曲目、「OMOIDE IN MY HEAD

序盤はもちろんひさ子が背中でギターを弾いているのを目撃。そしてじわじわと曲の始まりに向かい、フロア渾身の【オイ!!!】

私は以前活動していた頃は音源や映像でしか観たことがない。完全に後追い世代だ。

だが、後追いだからこそ狂っているレベルで聴き漁っていた。その手段でしか空白を埋めることが出来なかったから。

そんな昔の自分の映像と、ラストライブの映像と、目の前の映像がキラキラと流れていた。

改めて感動しつつ、噛み締めて聴いた。

 

「売れる売れない二の次で、かっこのよろしい歌ば作り、聞いてもらえりゃ万々歳。そんなあたしは傾奇者。人呼んで、ナンバーガールと発しやす。」で、お馴染みのあの曲。

「ヤバイさらにヤバイ」と向井の歌い出しが始まり、大合唱。バリヤッバーーーイ!!!

5曲目、「ZEGEN VS UNDERCOVER

叫んでた、ひたすら叫んで狂ってた。

ナンバーガール、バリヤバ。

 

この頃にも曲の間に向井が発するのは「おひさーしのぶーりぶーり」とかだけだ。

久しぶりとしか言わないし、復活に関する事なんて一切口にしない。

6曲目、「YOUNG GIRL 17 SEXUALLY KNOWING」

ここでこの曲が染みる。ちょうど火照りすぎた身体を冷却しつつ客観的にナンバーガールを観れた。

もちろん冷めきってなんかいないし日常に比べたら火照りまくっているが、少し落ち着くというか、そんな感じ。

メンバー一人一人を眺めた。最高。

 

曲が終わりしばらくして、向井の前口上。

「市役所通りに消えていった、そんなあの子は透明少女...」 、キタァーーーー。

7曲目、「透明少女」

私は以前の記事にも記したが、漏れなくこの透明少女を初めて聴いて、耳にこびりついて離れなくなってからナンバーガール沼に浸水した。きっかけの曲である。

向井みたいなおっさん(褒めてます)が歌っても、相変わらず、どうしようもなくキラキラしていた。

 

曲終わり、私は、透明少女をしたわけだから次は落ち着いた感じの曲がくるかなーって油断していた。驚いた。

近くの女性もエー!!!と叫んでいた、わかる。

8曲目、「水色革命」

メジャー移籍前の、賛否両論と青さに満ち溢れた幻のアルバム、Schoolgirlbyebyeに収録されているこの曲、これがまた良い。てか良すぎ。

ナンバーガールならではの青春の歌という感じがして、とってもとっても好きなのでニヤニヤしながら聴いた。

夢、かもね!(ほんと、夢のようだぜ!)

 

お馴染みのメロディーが聞こえてきて、反射的にみんなでカウントする。

【ワン・ツー・スリー・フォー!!】

9曲目、「日常に生きる少女」

私はどの曲の歌詞も好きだが、シンプルな事を向井の声で歌うあの瞬間が堪らなく好きで、この曲の歌詞も、とっても普通なのに忘れがちなとっても大事な事を歌っている気がして大好きだ。

なんとなーく肯定された気になる、幸せ。

 

【殺人的なジョークで死にたい】♪

10曲目、「sentimental girl's vaiolent joke」

良い曲だよね。意味不明な歌詞は多いけど、この歌詞は心からそう思う。

どうせ死ぬなら、殺人的なジョークで死にたいね。

切なくもエモく、どこまでもまともな歌。

私含め、会場が聴き入っていた。

 

アヒトのあのカウントが始まりオーっとなる。

【U・S・録・音!!!】

11曲目、「Destruction Baby」

...切ないんだよなぁ。

映画の主題歌にも使われていて、この歌のために映画を見に行きたかったけど、内容的に...暴力シーンが苦手で行けなかった。

シンプルにかっこよく、心に響く曲。

 

ここまでしばし浸っていたけど、すぐにまた全力で暴れる展開がきた。

12曲目、「NUM-AMI-DABUTZ」

「ひっつよーなぁぁあい!!!」の大合唱。

向井は現役で冴え渡っていて、全然衰えずにあのスピードで歌っている。

後に入った情報では、アヒトがめちゃくちゃ笑顔で楽しそうだったとのことで...

あー今度はアヒトも見れる角度に行くぞ、と心に誓った(まずはチケットだけど)。

 

ここにきて、ついに。ひさ子のギターで感知、会場のボルテージが瞬く間にMAXに。

13曲目、「TATOOあり」

うおおおおぉってなってた、ひたすら。

向井・ひさ子ポジを陣取ってよかったと特に感じた...もうこのソロを何回聴いたことか...どのライブだろうと間違いなくかっこいい...鳥肌。

鳴いて喚くギター、さすがでした。

今回のアレンジも言わずもがな最高。

 

興奮し過ぎて息してたか覚えてない所に...

14曲目、「EIGHT BEATBR」

ダダッダダダッダダダッダダダッダ!! 跳ねる。

向井の冒頭の(アツレキ)の言い方が、いちいちカッコイイし、様になる。

コミュニケイションふ、の、う!

コミュニケーション不能だけど、確かに今この瞬間は、この音楽で皆が繋がっているなと感じる。そんなテンション。

 

15曲目、「IGGY POP FAN CLUB」

ここでこれか!分かった!といった感じで、そのまま継続して跳ね続けてた。

ナンバーガールが解散前に演奏した最後の曲で、それまでもたくさん演奏されてきたのだろうけど、やはり改めて聴いても、窓際で恋に黄昏れる甘酸っぱさと苦さと少しだけ前向きなじれったさを感じる。超いい。

キリのいいところで演奏するとは思っていたが、アンコール前の最後の曲に相応しかった。

 

 

そしてメンバーが去り、アンコールの手拍子。

普段全く水分を摂らない私だが、手元の水に目を向けると数口分しか残っていなかった。

すぐに飲み干し、終わったらビールだなと思いつつ一緒に手拍子して待機した。

まもなくナンバーガールが舞台に戻ってきた。

 

ナンバーガールからは「今日は来てくれてありがとう」という旨を、サラッと話しただけ。

あとはずっと向井が久しぶーりぶーりって言ってるだけ、横でその都度ひさ子が笑ってる、それだけだった。ナンバーガールらしさ満載。

 

アンコール1曲目、まさかまさかの

OMOIDE IN MY HEAD (2回目)」

もっかいするの?!とは思ったが、もちろん最高でした。なんか少し落ち着いて聴けて、むしろ良かった。ありがとう、謎のセットリスト。

 

アンコール2曲目

懐かしい曲をする、といったような話を確かしていたと思う(本当に曖昧ですいません)、その後に始まったのが

「トランポリンガール」

なんと自主制作したカセットテープに収録されている方だった。

意表をついてくるから、ただ呆然と、うぉぉ...となっていた。そこがアンコールにくるのか、と。

野音では両方のバージョンを披露したらしいので、機会があれば生で聴き比べしてみたい。

 

アンコール3曲目

これが最後の曲になるわけだが、何で〆るのかな?と考えていたのも束の間、すぐに始まった。

ずっしりとした音が響く。

「I don't know」

【ハイハイハイハイ!!】と、フロアが一体になって、全力で叫びまくる。

何もかも忘れて、ただひたすらに、叫ぶ。

向井も思いっきり叫ぶ。混沌。

出し切った。

 

曲が終わり歓声の嵐。

メンバーを呼ぶ声と、復活ありがとうという声が、ずっと響いている。

そんな中、向井が酒を片手に【乾杯!】と発し、颯爽とメンバー全員が去っていった。

フロアは、無の、魂が抜けた殻達が、立ち尽くしたり、フラフラと出口を目指していた。

私もただ呆然と歩いてビールを買い、終演後に残っていたグッズを買い、会場を見渡しながら外へ出た。

外では、既に出ていた同志たちが、口を開けて虚無を見つめて整然と座ってタバコを吸ったりビールを飲んだりしていた。

 

本当の意味でみんなが、ナンバーガールが、自分の全てをぶつけて、出し切って、重なり合った瞬間だった。

全く言葉がまとまらないまま、復活への感謝と、必ずまた観るという気持ちで心の中はいっぱいだったように感じる。

 

ありがとう、ナンバーガール

好きでいて良かった。

全く変わらない、むしろ進化した音の重なりを身体いっぱいに染み込ませた。

 

これから目撃する人は、期待しかしなくて良いので思い切り楽しんでください。

私も惜しみなく楽しみます。

全国ツアーも新たに発表されたので、必ずやチケットもぎ取るぞー!

 

では、長々とお読みいただきありがとうございました。

(中級〜楽曲紹介をすると言いましたが、気力が高まればいずれ...という事で←)

 

私 と 、NUMBERGIRL 。1

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NUMBERGIRL、再結成。

 

Twitterやyahooのトレンドを一色に染めたその文字の羅列に、どうやって興奮せずに居られたというのだろうか。

 

私は職場でたまたまTwitterを開いて知った。

言葉が出ず意味がわからず何度も開き直した。

やはり事実だった。

理解した瞬間、動揺と高揚が止まらなかった。

 

NUMBERGIRLは17年前、ベースの脱退を機に、今のメンバー全員でNUMBERGIRLだという理由で解散した。

あまりに唐突で、改めて解散ライブを開催するという事もなく、その時行っていたツアーの最終日がラストライブとなった。

活動期間7年、メジャーデビューから3年。めちゃくちゃヒットした曲がある訳ではなかったが、その時代の邦楽ロックを担っていた。いわゆるオルタナティブロックの発信者、いや、創始者といっても過言ではないほど(いや、過言か..)、後の邦楽ロック界に多大なる影響を及ぼした伝説のバンドとして今なお語り継がれている。

 

NUMBERGIRLを知らない人からしたら、なぜヒット曲がある訳でもなければ活動期間も短く、解散から約20年も経つのに伝説扱いされ、復活に騒がれているのか?と疑問に感じるだろう。

そんな人に、この記事を通して、出来れば1人でも多くに、魅力が伝わることを願っている。

復活時のコメントでは、できれば何発かヤるとは言っているが、期限も設けられておらず、(たくさん記事を読んだ所)2度目の復活は100%ありえない。だからこそ今、知って、聴いて、後悔しないで欲しいと心から思う。

 

その昔、中学生までラジオ厨だった私は、ラジオから流れる音楽をかじりついて聴いていた。

高校生になってからは吹奏楽部に入部したため、世の音楽から一旦離れてクラシックばかり聞いていた。

そして高校を卒業、サカナクションが好きだという友達と話していると、やっぱりきっかけはバッハだよね!と言われて衝撃が走った。私的にはサカナクションと言えばセントレイだしシンシロ。かの有名なバッハを知らない、それくらい私は世の流行りの音楽からかけ離れた生活を数年送っていたのだという事実を突き付けられた気がして、ショックだった。

焦った私はYouTubeを開いて音楽を聴いていた。そこでたまたま流れてきたのがこの動画だった。

 

https://youtu.be/FOgRAXt-6Tk

 

時が止まった。なんだこのギラついてるのにどうしようもないほどキラキラした音楽は。 狂ったように何度も聴いた。

当時は歌詞も全く聞き取れずMCも訳が分からなかった。

なのに、取り憑かれた。

向井秀徳田渕ひさ子中尾憲太郎アヒトイナザワに。

私が初めて好きになったバンドは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONだった。彼らもN.G.S(Number Girl Syndrome の略)という曲を作るほどNUMBERGIRLに影響を受けている。 他にも椎名林檎(NUMBERGIRLの大ファンで追っかけ、後にVO.の向井秀徳と共演やコラボをしている)やBase Ball Bear(ラジオ等でNUMBERGIRLについて語ったりカバーをしている)、ねごと、きのこ帝国(前述の記事で少し触れている)などなど、影響を受けているミュージシャンはどれも私が好きな人達だった。

くるりNUMBERGIRLと時代を共にしたバンドで、くるり主催のフェスにも呼ばれている。動画や著書などでもくるり岸田繁NUMBERGIRL向井秀徳の繋がりを拝見できる。 

これらの理由からしても、NUMBERGIRLはハマるべくして大好きになったバンドだったのだと思う。

 

まずはNUMBERGIRLのメンバーを紹介する。

 

〇 vo.向井秀徳

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私の1番好きなミュージシャン、我が道を突きつめまくっている超良い意味での変態

特にNUMBERGIRLではMCが独特過ぎてファンを置いてけぼりにすることがある、しかしその独特さ故の名言も多数ある

酔ったらそこら辺の路上で弾き語りを始める、時に不審に思われて職質される

ラーメンと昆布とキンミヤ焼酎を愛する

何で弾いてるのか疑問な程ライブではすぐ弦を切らす

ライブ中でも酒飲むし煙草吸う

向井秀徳アコエレ(ソロ)もZAZEN BOYSもライブ観に行ったけどやはり最高、太い声とシンプルにかっこいいキメキメのプレイング、痺れる(興味ある方は是非)

 

〇gt.田渕ひさ子

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女性のショートカットもギターもブームにしたのはこの人じゃないだろうか

お茶目で可愛いひちゃこに侮るなかれ

ギターを持った瞬間、真顔で軽々と鳥肌が立つほどかっこいいプレイを始める

ギターソロなんて女性と忘れるほど魅入ってしまう、ライブでは1番くらいに盛り上がる

弾き狂ってる彼女に感化されてギター女子が増えたと思う、気持ちは凄く分かる

ジャズマスターを流行らせた第一人者

(toddleもとても良きなのでオススメ)

 

〇dr.アヒト・イナザワ

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なんと言ってもドラムカウントが、(ワンツースリーフォー!)以外に幾つも存在する

有名なのが(殺・伐!)...その他、(U・S・録・音!)(造・反・有・利!)等など...これでキマる謎

一定しないリズムなのに大きく崩さず、バンドのアクセントになっている

手数の多さも魅力、完璧にできればドラムで飯が食えるモーラー奏法を勝手に発展させたイザナワモーラー奏法を行う

それくらいの腕なのに解散後はギターボーカルをしていた

 

〇ba.中尾憲太郎(名前の後に年齢を入れる)

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向井の無茶ぶりに答えてくれる優しい人

ここまできたら分かると思うが彼ももちろんヤバい

ダウンピッキングの速さで有名

低音パートと言えばどっしり支えてるイメージだが彼がどっしりしてるのは音だけでプレイはルーズで複雑なことはあまりせず至ってシンプル、なのに上記の遊びまくってるメンバーの音を支えられる

ピック弾き、ゴリゴリで男らしい無骨さ

 

...この4人でNUMBERGIRLなのだが、書いているととてつもないスター集団なのだと改めて実感。

1人1人がめちゃくちゃかっこいいです。

しかもこれだけ個性的な4人が全力でぶつかっても、潰れずに最高のバランスを作り出している、奇跡。

 

そんなNUMBERGIRLの演奏を、上記の紹介を照らし合わせながら聴いて欲しい。

 

◎ライブで演奏して欲しい曲ランキング第1位

    「omoide in my head

https://youtu.be/GJIYZGs4iJs

 

これはNUMBERGIRLラストライブ時の映像。

(長いので演奏のみ聴きたい方は2:30〜!)

私は0:00から100回以上聴いてる、大好きな映像・演奏です。

かっこいいなんて言葉じゃ足りない物がここにある。

 

◎なんと言っても圧巻のギターソロ

    「TATOOあり」

https://youtu.be/UMQQ3fZ1hPI

 

短めのギターソロですらかっこいいこの曲の中でも特にソロが長く覚醒している動画がこれ。

これも冗談抜きで主にソロ目当てで100回以上聴いてる、ここまできたら言葉失いかける、というか失う。

 

◎題名通りの、NUMBERGIRLだからこその演奏

    「鉄風、鋭くなって」

https://youtu.be/gd5HL6m0UEI

 

この刺すような冷たく鋭い演奏、空間は、当時のNUMBERGIRLだからこそ表現できるものだと思う。

冒頭のナカケンのピッキングから全ての凍てつく瞬間が始まっています。MV版のアヒトの眼鏡、最高。

 

◎断トツ取っ付きやすくシンプルにかっこいい

   「num-ami-dabutz」

https://youtu.be/TDoNX0lRL1g

 

音量調節してください、これは特に音デカいです。

再生数からしてもNUMBERGIRLをイマイチ理解出来てない人が聴きやすい曲。ノリがわかりやすいしMVも相まってポップさがある。アヒトのダサいジャンプと妙に丁寧な向井と少し照れてるひさ子と通常運転のナカケンが可愛く感じます。

 

 

さて、いくつか紹介したところでかなり長くなってしまったので今回はこの辺にします。

 

短い活動期間で7枚のシングル、4枚のアルバムを発表し、ライブを淡々とこなす...4人ともとてつもない熱量で目の前の道を貫き突っ走ってきた。だからこそ生まれた独特の音楽性は未だに褪せることなく、無数の音楽界のフォロワーさえ誰一人として真似できなかった。(ポップの神と呼ばれる星野源もまた、NUMBERGIRLが大好きで、ついぞ誰も真似できなかった唯一の存在だと語っている。私は別で取り上げたいほど星野源の音楽もとても好きだ。)

のちに向井秀徳本人が今見直してもキラキラしていたと言うほどギラギラとキラキラ、ネガとポジ、熱さと冷たさが入り乱れ、混じりまくったその音楽が、奇跡のバランスで保たれたバンドが、どの瞬間も飽きることなく語り継がれた。そうして伝説となったのではないか(という事にして〆にしたいと思う、こんな少しじゃ私ごときには語れないわ...)。

 

初回なので大雑把な紹介と、動画サイトでも特に人気の初級NUMBERGIRL楽曲を取り上げさせていただきました。

次回からはフェスなどで目撃するつもりの方〜NUMBERGIRL好きになりそうかもという方に向けて少し責めた中級辺りの記事や楽曲紹介にしていきたいと思います。(余力があれば...出来るかな...。)

 

初回から長々とお付き合いありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

私 と 、き の こ 帝 国 。

「きのこ帝国が活動休止を発表した!」と、いう

1文だけをポンとSNSに載せて自分の中で終わり

たくはなかったので、記事にすることにした。

(このためにはてなブログ登録し直したぞ。)

 

まず「きのこ帝国とは?」って人へ↓Appleから。

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私の周りは音楽オタクが多く〝渦になる〟辺り

から騒いでたのを覚えている。でもその頃の私

の感性には合わなかった、から聞かなかった。

 

その後「湯を沸かすほどの熱い愛」という映画を

観た。とても感慨深い映画でラストの人の血を

表したのか愛を表したのか分からない不思議な

赤色の煙が煙突から静かに湧き出ていたシーン

は未だに焼き付いている。そんな映画の主題歌

が、きのこ帝国の「愛のゆくえ」だった。

全くそこに焦点を置いてなかったのに、流れた

瞬間、少し震えた。素晴らしかった。

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この曲がタイトルのアルバムを何度も聴いた。

その中でもめちゃくちゃ「moomwalk」という曲

が大好きになった。

(知らぬふりをしてまた抱き締めるから言えなく

なる 優しすぎるあなたを月が笑った)

この1節がなんとも素敵。隠し事をされている

相手に抱かれ、それを問い詰められずに許して

しまう主人公が、抱かれながら空を見上げると

月がそんな下らない優しさを持ち合わせた自分

を見下げて笑っていた..という所まで想像する。

 

Amazonのレビューを見ると、同じことを何度も

繰り返してるだとか歌詞が薄いだとか書かれて

いたが、私は聴き手に考えさせる歌詞を書ける

アーティストってすごく魅力的だと思っている。

直訳の歌詞なんて誰でも書ける気がするから。

なので、もっと彼女達の音と言葉が欲しくなり、

過去作も全て聞き漁った。もちろんそれ以降に

出た作品も何度もループしている。

 

私ときのこ帝国の物語をこれ以上書いても面白く

ないので、作品紹介を、私なりにしていきたいと

思う。少しでも興味を持って貰えたら幸い。

 

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1曲目のWHIRLPOOLから突き抜けてる。ほぼ、

(仰いだ青い空が青いすぎて)と言っているだけ。

だけなのに、良い。ワンフレーズで3回「あお」

という単語を使い、それを何回も繰り返す。

ただただそれが心地よく、情景が広がり始めて

このアルバムの物語が始まる。

AメロBメロという概念はなく、クラシックの様

な起承転結もない。ただ事象が起こりぽつぽつ

と言葉が落ちている。それが初期のきのこ帝国。

今作はゆったりしたり、ぼーっとしている時に

流したいような、比較的穏やかな作品に感じる。

この世界観はラストの足首まで続いている。

(ちなみに4曲目にGirlMeetsNumberGirlという曲

が収録されている、もちろん本人達はナンバガ

リスペクトしている。)

 

そして2013年、「eureka」と「ロンググッドバイ」

が誕生する。

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こちらは5曲のみ。1曲目からジャケ写みたいな

お花畑を走っているかのような音が流れ始める。

(愛おしい日々だけたまに思い出してね)という節

は、冒頭からアルバム名を表している。ここから

全曲、別れに繋がる物語が始まる。5曲もこんな

別れの歌が流れるのかと思うだろうが、そんな

単純なアルバムではない。先程も記したが過程の

事象が1個1個起こっている感覚で聞いて欲しい。

2曲目で(僕たちはいつも叶わないものから順番に

愛してしまう)と、1曲目と同じく別れが題材でも

少し違う角度から歌っている。だから飽きずに

最後まで聴ける。必ず聴き手の中に何かが残る。

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そしてこちら。もうこれはね、個々で越えて。

きのこの中でも、とってもディープな作品です。

轟音という点でもこの作品が断トツかと思う。

シューゲイザー感もますます増している。

個人的には1曲目の夜鷹がディープの頂点かと。

(生きる喜びという不確かだがあたたかいものに

惑わされつづけ今も生きてる)、そうだなぁ。

初っ端から生死感問われてる作品でジャケット

も真っ黒闇に目玉が浮かんでいるうずうずしさ

が滲んだものとなっている。

日常で誰もが感じる、間違いや虚しさを題材に

したアルバムだと思う。この作品は、聴くのに

とても力が要る。改めて実感させられ、空っぽ

になるから。でも終盤に近づき、きちんと希望

も湧いてくる。こんな気持ちにされるのは最近

のアーティストではきのこ帝国くらいじゃない

かと思う。完璧に良い意味で本当に凄いバンド。

 

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先に言う。私がきのこ帝国で1番大好きなCDだ。

ここにきてイメージが変わる。とても聴きやすい

ポップさが加わってくる。初期きのこ帝国好きは

聴き足りないくらい。明るい光へ向かう不安定な

このアルバムのバランスこそが大好きな理由だ。

1.2曲目と、ヒットナンバーの「東京」「クロノスタ

シス」が続く。だがここで終わらず聞いて欲しい。

この作品から今まで存在していたアルバム全体の

テーマというものが曖昧になる。ヒットナンバー

の次の3曲目で、(命の尊さなど失うまでわかりゃ

しないし今だけ今だけでいい こんな自分じゃどう

しようもない)と禍々しい雰囲気に急に飛び込む。

かと思えば4曲目にはアホクセーとか言いながら

現状をいつか打破しようとする前向きな曲になる

不思議なアルバム。ただ変わらず希望を失わない

という線がずっと繋がっている事を強く感じさせ

てくれる。私の特に好きな「あるゆえ」という曲が

それを表している。(悪態が止まらないのは信じて

やまない世界があるゆえ 性懲りもなく足掻くのは

愛してやまない世界があるゆえ)...。染みます。

 

そして2015年、デビューシングル「桜が咲く前に」

が発売されvo.佐藤千亜妃の美貌を活かしたMVの

効果もあり名が知れ渡った。同年発売がこちら。

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ジャケ写が急にクッキリとして、暖かみがある。

まさにそんな作品で人間の優しさが充満している

きのこ帝国の大きな世界への一歩を感じる作品。

テンポも軽快で、vo.の声が丸みを帯び、ピアノも

際立ってくる。鋭い音も抑えられている。だが

悪くなっているのではなく、闇からひょっこりと

出てこれたきのこ帝国の、変わらない愛への感情

が鳴っている。おかげで格段に聴きやすい。

ただゆるく歌っているのではなく、メッセージ性

より人への浸透性の高いアルバムだなと思う。

 

年表で行くと次は「愛のゆくえ」だが上記に記した

ので略す。時は飛んで2018年。去年。

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ここにきてまた表情が変わる。猫とアレルギー

のような暖かさに、更に過去作のメッセージ性

を上乗せした、今までを繋いだ作品だと思う。

きのこ帝国ファンがよく言う「きのこ帝国だけは

自分を許してくれる」という空気が広がっている。

優しさを優しさだけで、狂気を狂気だけで伝える

音楽は止めたのだろう。きのこ帝国史上よくある

CD第1位で、アルバム全体と言うよりも随所随所

好きな曲があってその間の曲もよく聴いたら好き

になれたというごく普通の感覚で聴けるアルバム

だと思う。現代に寄り添ってるきのこが聴ける。

 

以上、これまでの作品紹介。自分でもまとめつつ

聴いていて、新たな発見がたくさんあった。

きのこ帝国が活動を休止してもこれからも既存の

CDを聴いては新しいものを感じるし、変わらぬ

良さも感じて過ごしていくと思う。

オシャレな音楽やポップで聞き馴染みのある音楽

が流行した時代に、轟音をかき鳴らす唯一無二の

価値観を持った鋭い暖かさを持つバンド。

様々な場面で、たくさんの想いを馳せて、色々と

考えさせられたきのこ帝国の音楽を、変わらずに

愛していようと思う。

あと、解散ではないから、バンドが鳴らしてきた

音楽の様に 密かに希望を持ちつつ聞き続けたい。

 

今度、佐藤千亜妃さんソロのライブにまた行って

みたいなぁ、とか、思いつつ...。月並みの事しか

言えないけど。

素敵な音楽を届けてくれてありがとう。

これからも日常の片隅で鳴り続けてください。